紙から浮遊する文字の行き先

電子出版の魁となったボイジャーのメッセージ

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一冊堂にとって示唆に富んだ内容をもっている。

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清水徹書物について』——その形而下学と形而上学——

本とは、時間、空間を越えた記憶装置だとするならば、これを共有し、ネット接続を可能にし、人々の常時アクセスを開放すれば、ある意味完成された公共の記憶装置として存在することができる。そうなれば本(紙の)は、個人がこれを保存するために特注するものになるのかもしれない。電子端末は、その特注コストのプリペイドに過ぎないものなのかもしれない。

 

世の中にはたくさんの液晶デバイスが満ちあふれている。 紙から遊離した文字は、おそらくこうしたデバイスをも包含するかたちで飛び 交う媒体としての役割を演じることだろう。 良きにつけ、悪しきにつけ。

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紙から遊離した文字は画像となって、進化するデバイスの中で新たな世界を創出するだろう。それは、文章の喪失という危機を副産物として伴うかもしれない。

蛇足的追記 デジタル世界をも注視する一冊堂は、デジタルデータを本(プリントアウトしたものではない書物)として特注する場でもある。